会社の辞め時「どのタイミングで辞めることを決断するか」
転職にあたって「今の会社をいつ辞めるか・どう辞めるか」は、多くの人が頭を悩ませる問題です。その中でも実際に転職するためには、「今の会社を辞める！」とどこかで決断せねばなりません。もし、その時の感情に流されて退職を決断してしまうと、あとで後悔する可能性がぐっと高まります。
今回は、こうした後悔を避けるためにも、「どのタイミングで退職を決断するか」についてお話していきたいと思います。
1.どのタイミングで退職を決断するか
どのタイミングで退職を決断するかを考えるとき、以下の２つの要素に分けて考えるのがいいでしょう（それぞれの詳細は、次項でみていきます）。
・今の会社のメリット／デメリット、そして転職のメリット／デメリットをそれぞれ列挙。その中で大事な順に優先順位をつける
・その場の感情や勢いに任せて決断しないためにも、「こうなったら辞めよう」という基準・臨界点を事前に決めておく
2.メリット・デメリットのバランス
「退職の本当の理由は何ですか？」…、私自身もこれまでに何度か聞かれた質問です。個人的には、「会社を辞める理由は一つではなく、様々な要素が積み重なった結果」と考えています。仕事をしていく上で、いいことも・悪いことも両方ありました。
ちなみに、「退職理由」に関する調査やアンケートをネット上で検索してみると、退職理由はバラついており、一位や二位に来る退職理由は安定していません。職場の人間関係・給与・労働時間・休暇・会社方針…と、上位にくる理由はほんとうに様々です。やはり「退職理由が人によって違っている」のではなく、「同じ人でも退職理由は複数」と言えそうです。
そのため、複雑に絡み合った要素を整理する意味でも、今の会社のメリット／デメリット、そして転職のメリット／デメリットをまず列挙することが第一歩です。更にその中で、自分が大切にしている順に優先順位を付けていきましょう。
今の会社のメリット／デメリット、そして転職のメリット／デメリットについては、一般的に以下のようなことが挙げられます。何が大事かの優先順位は、人によって千差万別。絶対に譲れないポイントもありますし、そんなに気にしないという項目もあると思います。
3.自分の中での基準・臨界点を事前に決めておく
周りの転職失敗組を見ていると、多いのは以下の2パターンです。
・瞬間的に膨らむ「デメリット（不満）」に流されて、感情的に辞意を固めたパターン
・青く見える隣の芝に影響されて、よその世界の幻想を見てしまったパターン
つまり、しっかり準備をせずに、その場の感情に流されて勢いで決めてしまう場合は…、新天地でも不満と幻想を抱き続けて活躍できなったり、転職を繰り返してしまっています。それだけ、自分の中での基準を決めずに、勢いで動いてしまうことは危険だと思っています。
こういった失敗を避けるために、前項でまとめた「メリット・デメリット・優先順位」に基づき、「こうなったら辞めよう」という基準を事前に決めておくことが大事だと考えています。
なお、事前に決める基準に関しては、「今の会社に関する視点」と「新天地に関する視点」の大きく2つがあります。事前に決めておいたこうした基準・臨界点を超えてしまった時が、辞める決断をすべき時ではないでしょうか。
「今の会社に関する視点」で言えば、例えば以下が判断基準として挙げられます。
・一定回数以上、不満を感じた時
・現在進行形の業務やプロジェクトが区切りとなる時
・今の環境ではやりたいことができないと明らかになった時
逆に「新天地に関する視点」での基準例は以下のようなことがあります。
・希望を満たす会社から内定が出た時
・新天地へのチャンスという門が一瞬開いた時
（チャレンジしたいポジションに空きが出た瞬間・
周りから「ウチに来ないか」と誘われた時など）
・新天地に関する家族の理解が得られた時
4.さいごに
余談ですが、“事前によく考えましょう”といっても、「転職するする詐欺（冗談！）」にはなってもらいたくありません。「いつでも転職してやる」「実際に転職活動している」と周りにも言いながら、ズルズルと会社に居続ける人がたまにいます。
みんな貴重な時間を費やして、仕事に真剣に向き合っている訳ですから、「辞めたい意思を持ちながら」その会社で長期間働き続けることは、「顧客」にも「会社」にも失礼だと個人的には考えています。
なお、このメリデメのバランスや臨界点については、自身で考えると同時に、第三者の目線・情報も有効です。転職エージェントに登録すれば、青い芝を見ていないかどうかや、自分自身の市場価値等の情報を得ることができます。
転職エージェントは転職のプロですので、豊富な知識・経験・ネットワークを持っています。今回のテーマ「どのタイミングで辞めることを決断するか」を見極めるための、「第三者目線」「リアルな情報」を得るためには有り難い存在です。
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