キャリアアドバイザーを選ぶ時のポイント
転職活動は、周りにも相談できず、一人孤独な戦いです。そんな時、キャリアアドバイザー(コンサルタント・カウンセラー)の存在は、仕事を紹介/推薦してくれると同時に、心理的にもありがたい存在です。ただちょっと待ってください!あなたのキャリアアドバイザーは誰でもいい訳ではありません。本日は、あなたの人生を左右するかもしれない人を選ぶ時のポイントについての話です。
1.キャリアアドバイザーの様々なタイプ
私自身も転職活動をした頃に、多くのキャリアアドバイザーと会いました。その中で、合うアドバイザー・合わないアドバイザーがいた訳ですが、その中でも多かったのは、こちらの話をほとんど聞かずに、自分の希望を押し付けようとする「自分本位タイプ」でした。その次は、基本的な所作ができていない「ダメダメタイプ」。
他にも不思議な人はいますが、相手の立場に立ってアドバイス・コンサルティング・カウンセリングしてくれる「真のアドバイザータイプ」は少数でした(少ないながらも確実にいらっしゃいます!)。
タイプ別にそれぞれ見ていきましょう。
1-1.自分が一番!「自分本位タイプ」
キャリアアドバイザーももちろんビジネスでやってますので、彼ら/彼女らが所属する転職エージェント内でのノルマがあります(多くの場合、企業に紹介した人が採用されて一定期間在籍した場合、その人の年収の○%がエージェントに支払われる)。ただ、転職希望者の話を十分聞かずに、「どんどん応募しましょう!この企業は積極採用してますよ!」というセリフが全面に出てくるケースが結構あります。
このタイプは、「あなたの経歴だとこの業界も・この業界もオススメ。今がタイミングです」と、間口を広く・急かした表現になりがちな気がします。あとは何と言っても、こちらの事情や希望をどこまで汲み取ってくれるかですね。「希望を踏まえてご提案します」と言ってる人が出してくる候補企業が、自分の希望に合っているかの見極めが可能です。私の場合、「コンサル業界希望」と明確に伝えていたにも関わらず、積極採用を理由に「とあるニッチなオモチャ会社」が紹介されたことがあります。その瞬間、ああ違うな…と。
ここまで極端でなくても、アドバイザー自身の経歴やキャリア形成に関する考え方が、あまりに自分と違い過ぎる場合も要注意です。相手は、経験がない分、自分のモノサシでオススメを想像しがちですので、やはりミスマッチが起きます。結果、自分本位な提案になりがちですが、このことに転職活動の佳境で気付くと大変です。アドバイザーとの初期の面談で確認するようにしましょう。
1-2.社会人として心配…「ダメダメタイプ」
私が直近の転職でひっかかかったタイプで、苦い思い出です。こういうタイプは避けようと思っていたんですが、自分と経歴や出身が似ていたため、当時の私は見極められずに、そのアドバイザー一人に絞ってしいました。
例えば、私が「メールアドレスが変わるので、今度からこのアドレスに送ってください」と何度も言ってるのに、旧アドレスに送り続けるというのは序の口。他の転職希望者の個人情報が誤送信されてきたことがあり、あまり悪びれる様子もなく「あのメールは破棄しといてください」と…。「えー。考えられへん!」となりました。
ただ、その頃には、職務経歴書提出・受ける企業の順番の相談・面接の結果が出つつ…と転職活動も佳境に入っていたので、このタイミングでアドバイザーを変えるのは得策ではないと判断して、結局嫌な思いを我慢し続けることになりました。今思うと…、そのアドバイザーの最初の面談が、先方の日時の勘違いで流れたことがあったのですが、そこで違和感に気付くべきでした。こういう失敗をしないためにも、「初期の頃のちょっとした違和感に気付き・判断する」ことが本当に肝要です(しみじみ)。ケアレスミス・会話における違和感・すれ違い…、当たり前ではありますが、苦労するのは転職希望者自身ですし、そんな人と二人三脚で人生を切り開くのは危険でしかありません。
1-3.キャリアアドバイザーの鑑!「真のアドバイザータイプ」
数は少ないものの、やはりこのタイプに出会いたいものです。そのためにも、複数社の転職エージェントに登録し、色々なアドバイザーと会う中で、上記のような「自分本位タイプ」「ダメダメタイプ」を避けつつ、フィーリング・波長が合う人を見極めるのがいいと思います。もちろんアドバイザーを1人に絞る必要もありません。
このタイプを見極めるポイントを挙げるならば、自己分析や模擬面接等にきちんと付き合ってくれるか、そして通常なら言いにくいことも含めてフィードバックしてくれるかです。更に、彼ら/彼女らは、採用する企業側の視点、および転職の成功/失敗事例を沢山見ているので、フィードバックの視点が「自分自身」ではなく、ちゃんと「採用を考えている企業の視点」になっているかも確認しましょう。
2.キャリアアドバイザーによって有利不利はあるか?
個人的な感覚としては、キャリアアドバイザーや転職エージェントによって、転職の有利不利には大きな違いはありません。その辺りを、これまでとは逆の目線、つまり転職エージェントから応募者を紹介される企業の目線からお話していきます。
私自身、企業における採用活動の経験がありますが、転職エージェントから転職希望者が紹介される流れは以下のような感じです。(この流れには、キャリアアドバイザーは基本的に出てきません。つまり企業にとって、転職エージェント毎の差があるかないかが論点になります)
一. 最初の接点として、エージェントから企業に営業。あるいは企業からエージェントに問い合わせ
二. 企業が望む人材像やスキル等をエージェントと摺り合わせ
三. 定期的にエージェントから、「ご紹介したい人がいます」と連絡が来て、選考開始
つまり、「一. 最初の接点」において、エージェントの営業力やマーケティング力には差はあるものの、あなたが比較的大きな企業に応募したい場合は、多くのエージェントがその企業への紹介パスを持っているのではと想像しています。
ただ、中小企業については、エージェントも全てをカバーできている訳ではなさそうなので、紹介チャネル確保の観点からも、色々なエージェントに登録しておくのがいいと考えています。今まで名前も知らなかった企業との出会いも、転職活動ならではの魅力です。
エージェント毎の差としてありえるのは、「二. 企業の望む人材像の擦り合わせ」「三. 企業への紹介」です。企業側の目線として、事前に伝えていた人材像とあまりにギャップのある人を紹介されると、やはりうんざりしてしまいます。こちらも書類審査や面接にかなりの時間をかけていますので。こういうミスマッチな紹介が続くと、そのエージェントとのお付き合いはどんどん疎遠になりますので、結果的に紹介企業は少なくなります。そういう意味で、紹介できる企業数が少なくなることはあるかもしれませんが、だからといって「この転職エージェントからの紹介は不利!(=合格率が低くなる)」ということはないと考えます。
3.キャリアアドバイザーとの面談が大事な理由
最後にもう一点。転職希望者を企業に紹介する場合、「キャリアアドバイザーからの推薦書」みたいなものが添付されます。実際に面談した時の印象や紹介理由が書いてあります。職務経歴書には意思が入り得ますが、この推薦書は客観的なものですので、企業にはこの推薦書を重視している人も多いです。そういう意味でも、キャリアアドバイザーとの面談やコミュニケーションは重要です。自分ができること・スキル、そして希望企業で貢献できることは何か、しっかり話をして、正しく企業にアピールしてもらうべきです。
–
■ 転職を成功に導くために
情報収集や客観的アドバイスをはじめ、自分に合った「転職エージェント」「転職サイト」との出会いが、転職活動の満足度を高めます。
・自分の市場価値がどれくらいか知りたい
・今すぐ新しい仕事を探したい
・いち早く転職活動を終えたい
スポンサード リンク