転職後に活躍する人の特徴から「採用基準」を考える
私自身これまでに、面接官として多くの方にお会いしてきましたが、「どこに行っても活躍する人」がいます。そしてその逆に、「どこに行っても活躍できない人」も少なからずいらっしゃいます。
そうした「どこに行っても活躍する人」・「どこに行っても活躍できない人」の特徴を整理すると、転職成功のための共通項が見えてきます。そしてこの共通項が、今の私の採用基準でもあります。言い換えると、この共通項は、転職に限らずあらゆるビジネスシーンにおいて、周りと協調しながら成長し、イイ仕事をするためには必要な項目です。
今回は、私が面接で着目している4つの採用基準についてのお話です。これから転職活動を進める際の参考になれば幸いです。
1.素直である
転職するとどんな人も漏れなく、新しい環境や仕事に直面します。もちろん転職というシーンに限らず、将来的な市場変化や会社方針に合わせて、仕事内容やチーム体制はどんどん変わっていくことでしょう。そんな時に、新しい環境でも活躍できるかどうかのカギは「素直さ」です。
素直な人は、どんな環境からでも学ぶことができます。例えば、批判的なコメントであっても感情的に逃げずに向き合い、成長の糧とすることができます。他には、自分より年下の人に頭を下げて教えを請うことも容易にできるでしょう(これができない人が意外と多い!)。
一方で、これまでに色々な人を見てきましたが、「過去の中途半端な成功体験を引きずっている人」や「これまでのやり方にこだわる人」は、新しい環境での成長が止まってしまいます。転職という形で新天地に移ったにも関わらず、結局は前職の考え方・仕事の仕方にとらわれているという笑えない話がよく起きているのが現実です。素直でない人は、良かれと思って周りが言ってくれたことにも素直に反応しません。アドバイスを批判のように感じて、言い訳したり・逃げようとしたりすることもしばしば。そうすると折角のアドバイスが成長の糧とならないばかりか、周りから疎まれてどんどん協力者がいなくなってしまいます。
面接において私は、「過去のやり方について少しネガティブなコメントをしたときに、どんな反応をするか」を見るようにしています。例えば、その仕事って非効率ですねとか、今のやり方よりこうした方がいいのでは?とか。そうすると人によって反応は大きく分かれます。こちらのコメントに必死になって反論してきたり、会社や上司のせいにする人は…「ご縁がなかったということで…」という結論になりやすくなります。
2.仕事をする理由や動機が合致している
「どうして仕事をしているのか?」という問いに対する答えは大事です。仕事をする理由は人によって千差万別で構わないと思っていますが、この価値観はほぼ一生変わらないので、「仕事をする理由」が、転職先のカルチャー・方針と合っていないと大惨事です。
例えば、クリエイティブなことを実現する職場に「生活のために仕事を嫌々やっている人」が紛れ込んだ場合、根本的なところでミスマッチが発生し、スキルやテクニックをどれだけ覚えてもイイ仕事はできません。クリエイティブな仕事では、日々の気付きや工夫が欠かせないことが多く、顧客のちょっとした反応・データからかすかに聞こえる声が、次の発見につながることも多々。そんな時に「時間の切り売りで対価をもらいたい、言われたことだけやる人」では価値は出ません。更には価値観が異なる人がまぎれることで、ミスコミュニケーションや不公平感が頻発し、チーム全体が悪い方に流れていきます。
あとはプライドやステータスのために働いている人も結構います。この人にとっては、「顧客のため」ではなく「自分のため」の仕事なので、やっぱりイイ仕事はできません。憧れの職場で働きたい!なんて言う人は顧客が見えていないので、的外れが多かったり、自分の心地良さのために動こうとしがち。こういう人が増えると、これまたチームは瓦解してきます。
私自身が面接官として求職者に対峙するときは必ず、「どうして仕事をしているのか?」「何のための仕事か?」を突っ込んで聞くようにしています。こうした価値観が合っていると経験上、その人のジョインによってチームのエネルギーは一気に高まります!
3.顔つきや目つきなど、ポジティブな雰囲気がある
ヒトは、日々の思考通りの顔になってきます。特に一定の社会人経験があって転職しようとする頃には、「ポジティブ思考の人の雰囲気」と「いつもネガティブなことばかり考えている人の雰囲気」には雲泥の差があると思っています。実際に周りを見渡すと、そういったケースは多いのではないでしょうか? 例を挙げると、ヒトは左脳で働かせながら喋るときには口角の右側が上がると言われています。打算的な人の顔って大きく歪んでいませんか?
あとは目つきですね。どれだけ正しいことを言ってても、何事にも斜に構える人・批判的に見る人の目つきは、見るに耐えません。こっちのエネルギーが奪われているような気分になり、こういう人がいると職場の雰囲気は劇的に悪くなります。客ウケも悪く、会社自身のイメージも悪くなります。
面接においては、こういったことは第一印象で分かります。私自身、これまでに何度も痛い目にあってきたので(涙)、ネガティブオーラが出ている人は、どんなに経歴がピカピカだろうが絶対に採用しません!
4.自分以外のことを考えられる
どんなビジネスにおいても「気付き力」「想像力」は大事です。相手の反応や感情を想像して、そっとケアしたり・準備しておくとか…。あるいは相手が不快にならないように配慮して発言を工夫するとか…。客商売か否かに関わらず、仕事するからには絶対に必要な力です。
ここで自分のことしか考えられない自己中心的な人は、チーム内やお客さんから嫌われます。これくらいならまだ可愛い方ですが、自分の思い通りにならないとヒステリックになったり、更には事実を捻じ曲げて自分を正当化しようとする人もいるのでタチが悪い…。こういう人は、自分のためなら平気でウソもつきますし、味方も敵に仕立て上げます。
転職においては、「退職理由」に表れることが多い気がします。前の会社が100%悪いと悪口が止まらないことに加えて、自分はこんなに正しいという正当化が出てくると、私の中では黄色信号です。加えて、「これまでの失敗経験と、そこから得たこと」といった質問への返答を見ることもあります(見るのは内容ではなく、自責と他責のバランスとか)。
さいごに
冒頭でも述べましたが、上記の4つの採用基準は、転職に限らずあらゆるビジネスシーンにおいて、周りと協調しながら成長し、イイ仕事をするためには必要な項目です。
私自身も完璧ではありませんが、イイ仕事をするために日々精進を重ねていきたいと思っています。
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