転職時の自己分析のやり方 〜自分自身・外部環境を知る
転職を考えるにあたり、自分が何をできるのかといった「自分を知る」ことは欠かせません。その上で、今後何をやりたいのか・どんなキャリア形成していくのかという自己分析を進めていくことになります。
本日は「自分を知る」というテーマで、「自分自身のこと」そして「自分を取り巻く環境」の2つの側面から自分理解を深める方法をご紹介していきます。
1.自分を知るためのポイント
具体的なやり方に入る前に、自分を知る際のポイントを押さえておきたいと思います。
・ここで進める自分理解は、自己分析に限らず、書類選考や面接を突破するための大事なインプットとなります。
・転職を成功に導くためには、現状を整理するだけでは片手落ちです。整理した現状を受けて、具体的にどんな気づきがあるか・どんな行動をしていくかが重要です。
以上ポイントを踏まえた上で、「自分自身のこと」「自分を取り巻く環境」それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
2.自分自身のこと
2-1.自分の強み
まずは「自分ができること」「得意なこと」といった強みからです。
強みについては、以下のような枠組みで、具体的に可視化していくのがいいと考えています。
上記表の横について、
・仕事については、「やったこと」と「できること」の2つについて書いていきましょう。「やったこと」は経験・実績で、例えば「○プロジェクトでリーダー経験」「○億円の売上予算達成」といったことです。それを受けて「できること」として書いていくのは、「プロジェクトマネジメント」とか「法人に対するコンサルティング営業」です。
・個人については、仕事の土台となる部分で、特定業務に紐付きません。「ハードスキル」は、戦略・会計・統計学・経済学・語学…といったように学問として体系化されていることが多いスキルです。一方、「ソフトスキル」とは、自分や他者と関わるスキルで、ストレス耐性やリーダーシップ等が挙げられます。
次に、表の縦についてです。
・自分自身のことは、分かっていそうで意外と分かっていないものです。そのため、「自分がこう思う」という強みだけではなく、「他人からはこう見える」という強みも合わせて自身の強みと捉えましょう。
・友人や家族、そして転職エージェントのキャリアコンサルタントにも、自分の強みが何かを聞いてみましょう。友人や家族は、あなた自身のことをよく知っているので、より深い内容が出てくるかもしれません。
キャリアコンサルタントには、企業に対してアピールすべき強みを引き出してくれるでしょう。自分が「強みではない」と思っていることでも、企業には魅力的に映るケースもありますので、そういったフィードバックをくれるキャリアコンサルタントに出会えると、転職は一気に成功に近付きます。
(詳細は「キャリアアドバイザーを選ぶ時のポイント」参照)
2-2.自分の弱み
続いて、弱みについてです。強みとは少し項目が違いますが、以下のような枠組みで具体的に整理していきましょう。
あまり気分のいいものではないかもしれませんが、面接で突っ込まれるかもしれませんし、更には今後の成長のために、真正面から取り組むのがいいと考えています。
・仕事上「できないこと(できるようになりたいこと)」、個人で「身に付けたいハードスキル」「身に付けたいソフトスキル」の3つを書いていきましょう。
この際、どうしてできないのかの理由も整理するのがポイントです。例えばプロジェクトでリーダーとしての経験ができずにメンバー止まりだったが…それは何故か? メンバーレベルを卒業できなかったから、会社にリーダーへの挑戦を訴えなかったから等、自分に起因する理由を明らかにしていきましょう。
・その上で、3つそれぞれについて、「面接で“弱みは何か?”と質問された時にどう答えるか?」「本当に改善するために何をすべきか?」を追記していきましょう。
例えば、英語が苦手で勉強中だったとします。面接時に「英語は得意ですか?」と聞かれた時にどう答えるか? 嘘をつくわけにはいきませんので…、得意ではないと答えた上で、今こんな勉強を具体的にしていること・目標として○ヶ月後のTOEICで○点を目指していることを伝える…といった感じです。
3.自分を取り巻く環境
将来がどうなるかは誰にも分かりませんが、今後の働き方はかなり大きく変わることが予想されます。10-20年後に今ある仕事の半分をコンピューターがするようににとってなくなるという予想もあります。これは話半分だとしても、具体的には以下のようなことが確実に起こりつつあります。
・新興国の人口増が進み、将来の各国人口は変化。例えば、国連予測では2100年の人口順位は、1位インド、2位中国、3位ナイジェリア、4位アメリカ、5位コンゴ…(ちなみに日本は2015年11位から2100年30位に)。人口は市場規模や労働力調達に直結するので、企業は移動し、モノの取り合いも発生し得る。
・人工知能技術等の進展により、接客ロボットといったこれまでに機械には無理とされていた領域にまで機械が進出している。
・アウトソーシングやクラウドソーシングの市場規模が拡大。社内で専門家を抱えるのではなく、必要な時に必要なヒトとスキルを外部調達する考えが更に広がる。
・多様な働き方を認める企業の考え、そして遠隔地でやりとりできる技術の整備により、在宅勤務できる環境が整いつつある。
こうした外部環境の変化が、自分にとってプラスかマイナスかは人によって異なります。例えば、仕事以外も大事にしながら自由に生きたい人にとっては、上記の3つ目や4つ目はチャンスと映るかもしれません。一方、仕事が外部に出て行くことは、今の仕事がなくなることを意味しますので、リストラのリスクに戦々恐々としている人もいるかもしれません。
いずれにせよ、今の自分・将来の目標に鑑みて、関係しそうな外部環境に着目しながら、「ああ、世の中ではこういうことが起きつつあるんだ。じゃあこういうリスクがあるかもしれないので、こんな準備が必要かも」といった気づきにつながればいいかなと思っています。
何が言いたいかというと、何も知らないのは危険ですが、その一方で全てのチャンスとリスクを洗い出して準備する…となると何も始まりません。ガチガチではなく大きなトレンドを感じ取るくらいのバランスで、自身の将来を描く際のヒントにするくらいが丁度いいのかもしれないと考えています。
あと、短期的な話として、面接時の受け答え時に、その業界に関するこうしたトレンドは貴重なインプットとなります。こちらから知識披露する必要は一切ないのですが、この辺りを把握している人は多くないので、ライバルとの差をつけることができます。面接時にお話していると、業界トレンドの把握レベルは、会話の節々に自然と現れてくるものです。
まとめ
以上、自己分析の一部である「自分自身のこと」「自分を取り巻く環境」を整理する方法についてお話してきました。
ここで挙げた以外にも、色々な視点での自分理解によって、新しい自分に出会えるでしょう。
例えば、以下のような転職力のチェックサービスもあります。自分を客観的に知るため、こういったサービスも利用しながら自己分析を進めていきましょう。
■以下、自己分析に関する参考情報です。
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