転職クエスト

近年、FacebookやTwitter等のソーシャルネットワーキングサービス（SNS）を採用活動に使う企業が増えてきています。

SNSをはじめとするソーシャルメディアを使うことで、企業が一方的に情報発信するだけではなく、求職者との双方向のコミュニケーション・関係構築が可能となったり、届けたい情報を効果的に発信することもできるようになります（ソーシャルリクルーティング）。求職者にとっても、SNSでのコミュニケーションを通じて、その企業の実態をより正確につかむこともできます。

今回は、転職で仕事を探す際にSNSをどう活用していくかについて考えていきたいと思います。

 

1.ソーシャルリクルーティングとは？

ソーシャルリクルーティングとは、「企業がソーシャルメディアを用いて採用活動を行うこと」と言われています。

これまでの採用活動といえば、企業が人を採用したいときに求人を出して、その時にたまたま応募のあった人の中からイイ人を採用する…という流れでした。いわば「求人を出した時の偶然の出会い」。

一方、ソーシャルリクルーティングでは、例えばSNSで企業が発信した情報に対して、求職者が質問やフィードバックをして、更に企業がそれに答える…といった双方向のコミュニケーションをとることができます。更には、SNS上で情報を受け取った時には転職する意向がなくても、フォロワーとなる・いいね！することで定期的に情報が入ってくるので、その企業の経営環境・方針の変化で求人が発生した時に、いち早く情報をキャッチすることができるというメリットがあります。

 

他には、ソーシャルリクルーティングを通じて、求職者には以下のようなメリットがあります。

・FacebookやTwitterなどのSNSには、経歴や過去投稿をはじめ自分の人生が詰まっています。会社に自分の魅力をより正しく伝えることができる（これまでは、書類や面接といったわずかな接点でしか伝える機会がなかった）。

・SNS上で反応するのはその企業の担当者。例えば何か質問を投げかけた時に、企業がどんなコミュニケーションをとるか・どんな反応をするのかで、その企業の考え方・カルチャーを垣間見ることができる。

 

これまでの採用活動とは違うメリットがあるため、ソーシャルリクルーティングに関心を持っている企業も多いです。一方で、将来転職するかもしれない潜在的な求職者に対して、SNSで情報発信・コミュニケーションをとり続けるには、企業側に相当の負荷・戦略性が求められます。費用対効果を高める難易度も高く、ソーシャルリクルーティングを活用する企業が飛躍的に増えない背景には、こういった事情があるのかもしれません。

 

今多いのは、求人自体が常に出ているわけではない中、「求人情報をタイムリーにSNSで発信しているケース」です（SNS上で広く知ってもらい、ホームページに誘導・応募という流れ）。もし今、興味のある企業があれば早速、Facebookページにいいね！、ツイッターをフォローしてみましょう。

 

2.ソーシャルメディアを通じて会社の人と直接つながる

会社が本格的に取り組んでいない場合でも、創業間もない会社あるいはIT系企業の社長の中にはFacebook・Twitter・ブログにアカウントを作っている場合もあります。

こうしたソーシャルメディアから、会社の方針や求人情報を収集したり、さらには相手との積極的な絡みで関係を構築する強者もいます。

これは実際にあった話ですが、ある会社の社長がFacebookで「新規事業としてこんなことやりたいんだけど、イイ人いないかな…」なんていう書き込みをしたところ、それを見た私の友人がメッセージを送り、これがきっかけでその新規事業のトップとして迎え入れられたというケースがありました。こういう直接的なコミュニケーションはSNSの強みであり、少し前であれば想像もしなかったことです。ソーシャルメディアの底力を知った瞬間でした。

 

3.Facebook連携アプリ「Switch.」

Facebookを利用した新感覚転職アプリ『Switch.』というアプリがあります。

これは、自身のFacebookアカウントで登録することで、プロフィールに興味を持った企業からスカウトが直接届くというサービスです。

以下、Switch.のウェブサイトから引用した3つのポイントです。

 

私も実際に登録してみました。Switch.には以下の特徴があります。

・サービスへの登録は無料で、Facebookのアカウントさえあれば１分で登録完了！
（入力or確認するのは4項目：「ブロック企業の設定」「基本情報（氏名・写真・生年月日・性別・住所・経験社数）」「職種・業種の選択」「在籍企業情報」）

・企業側には匿名表示される！氏名と写真はマッチング後、メッセージを自分が送るまで企業には公表されない

・アプリ利用が友達や所属企業には知られない！（タイムラインにSwitch.が何かを投稿をすることもない）

・Switch.上で自ら求人検索して、自分から企業にアプローチできる！

→Switch.公式ホームページ

 

まとめ

ソーシャルリクルーティングに取り組み始めている企業は増えつつあり、これから更に普及していくことが期待されます。

現在は、多くの人があるタイミングで一斉に入社する「新卒採用」で活用されているケースが多いようです（優秀な人との関係を早めに構築するため）。転職の場合は前述のとおり、今すぐ転職する気がない潜在的な求職者との関係構築には負荷・戦略性が必要なので、新卒採用とは違う工夫が必要ですが、「SNSを通じたコミュニケーション・人柄把握」を試みる企業はこれから増えてくると考えています。

なお、企業がSNSを見た時に、思わぬところでマイナスにつながる危険がいくつかあるので要注意です！詳しくは「転職活動における、Facebookの落とし穴」を参照してください。