転職エージェント・サイトを使わない企業。そんな会社も含めた仕事探し
日本には株式会社が約250万社あります*1。この中には実態のないペーパーカンパニー等も多く含まれますが、資本金が1億円以上のいわゆる大企業だけでも2万社ほど存在しています*1。 その一方で、転職エージェント最大手のリクルートエージェントの取引社数は1.7万社ほど*2。
このように転職エージェント・転職サイトがカバーできてない会社数はかなり多いことが予想されます。つまり、多くの会社が転職エージェント・転職サイトを使っていないことになります。
今回は、転職エージェント・転職サイトを使わない企業のパターン、そしてそういった会社を含めた仕事探しについて考えていきたいと思います。
1.転職エージェント・転職サイトを使わない企業
転職エージェント・転職サイトを使わない企業は、大きく以下の3パターンに分けられます。
1-1.高い採用コストを避けたい企業
企業が転職エージェント・転職サイトに支払うコストはかなり高額です。例えば転職エージェントからの紹介で採用した場合、その人の年収の数割がその企業からエージェントに支払われます。一人採用するときにかかるこの数百万円は非常に大きな金額ですので、費用対効果が低いという理由で、転職エージェント・転職サイトを避ける企業があります。
例えば採用意欲はあるものの創業間もない会社では、採用コストに使えるお金があまりないことも多く、エージェントを使っていないケースをよく聞きます(「転職エージェントを使わない方がいいケース例」に関連記事)。こういった会社では、自社ウェブサイトやSNS経由・紹介経由での採用が多いです。
1-2.転職エージェント・転職サイトの営業がカバーしきれない企業
転職エージェント・転職サイトが、企業を拡大する方法は2つです(「キャリアアドバイザーを選ぶ時のポイント」に関連記事)。
・エージェントの営業部隊が、採用意欲が旺盛な企業を開拓
・積極採用を進めたい企業からエージェントへの問い合わせ
特に前者については、上述の通りたくさんの企業がありますので、営業部隊による開拓で全てをカバーするのは困難でしょう(例えば、企業規模が小さかったり・物理的に遠かったりする企業は未開拓なことが多い)
1-3.採用意欲の低い企業
人の雇用には多額のお金がかかります。企業は利益を追求していますので、(当たり前ですみませんが)必要のない人は採用しません。そのため、今の陣容でビジネスが回っている・しばらく拡大しないという場合は、転職エージェント・転職サイトは使いません。
ただ、転職エージェント・転職サイトを使っていない場合でも、直接問い合わせると意外と採用の枠はあったりするものです。本当に行きたい会社が転職エージェント・サイトに登録されていない場合でも、直ちに諦めることはないと思っています。
2.転職エージェント・転職サイトを使わない企業も含めた仕事探し
このように転職エージェント・転職サイトを使わない企業は多いため、「自分にぴったりの会社」を見つけるためには、エージェント登録企業以外も含めて広く検討したいところです。あとは、時間をどこまでかけるかのバランスですね。在職しながらの転職活動だと十分な時間は取れませんし、もし退職後の転職なら長期戦は生活を圧迫します…。
個人的には、メリハリをつけながら以下のポイントと流れで企業を探していくのがいいのではと考えています。
2-1. まず最初に。転職エージェントや転職サイトをチェック
まず最初に、転職エージェントや転職サイトにどんな企業が登録されているかチェックしましょう。転職エージェントのプロが自分に合った企業を選んでくれるので、意外な企業の発見につながることもあります。なお転職サイトでも、自分のキャリアに基づく企業の絞り込みができるところも多いです。
実際には、転職エージェントや転職サイトに複数登録することでカバー率を上げていきましょう。登録が多過ぎても力が分散してしまいますので、「エージェント大手2社+サイト大手1-2社+業界や地域特化1社」に登録というのが個人的なオススメです。面談や求人検索で少し試してみて、自分に合うところをどんどん絞り込むというのがいいバランスだと考えています。
転職エージェントをまずチェックした方がいい理由は、エージェントはその企業への転職の成功パターン・失敗パターンを知っているので、あなたの転職の成功率が飛躍的に高まるからです。加えて、企業との面談調整や給与交渉時に間に入ってくれて、言いにくいことも言ってくれるというのもメリットの1つです。
2-2. 転職エージェントや転職サイトを使わない企業へのアプローチ
続いて、転職エージェントや転職サイトに登録していない企業にどうアプローチするかです。どうしても行きたい企業が転職エージェント・サイトに登録されていない場合は、その会社のホームページを見たり、個別問い合わせができます。
なお、ピンポイントで各企業に絞り込めていない場合でも、地域や年収等の条件などで、企業の採用ページを含む各種情報を検索するサービスもありますので、こういったところも活用していきましょう(「求人検索エンジン「スタンバイ」に着目!特徴をまとめました」参照)。
まとめ
転職エージェントや転職サイト使っていない企業が多いと書きましたが…、「自分にぴったりの企業があるはず。だから転職エージェントやサイトは全く使わない」という求職者もいたりしますが、あまりオススメではありません。
未登録企業は人を募集していないことも多く、募集有無を知るには個別チェックが必要です。行きたい企業がある程度絞り込めていればいいのですが、そうでない場合の個別チェックは大変な作業となります。採用意欲が旺盛な企業をエージェント・サイトで大きくすくい、加えて希望企業をピンポイントで攻めていくというのが王道でしょう。
出典:
*1 国税庁「会社標本調査結果」
*2 リクルートエージェント「採用成功ナビ」
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