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転職するなら大企業?中小企業?それぞれのメリット3つ


転職時にどういった企業を選ぶかについて、「大企業に行くか?それとも中小企業に行くか?」という話をよく聞きます。

「会社毎に違う」という答えもありつつ、比較した時にはやはり傾向はあると思っています。私自身、従業員数が「数千人以上の大企業」と「100人未満の中小企業」の両方にいたことがありますので、その経験に基づき、それぞれを比較した時のメリットを考えていきたいと思います。

 

1.大企業に転職するメリット3つ

1-1.豊富なリソースに基づく大きなビジネス

大企業には、カネもヒトも情報も豊富なことが多いです。そのため、一度会社として意思決定されると、そのビジネスの規模は大きくなります。ビジネス規模が大きいということは、それだけ顧客や社会へのインパクトが大きいということで、自身が関わっている仕事が、新聞やテレビ等で取り上げられることもあるでしょう。こういうことは、個人の自尊心を満たすというか、モチベーションがかなり上がります。

かつ、そのビジネスをやるかやらないかについては、(良いか悪いかはさておき)入念な事前調査や検討を経て決められることが多いです。そのため、一旦GOサインが出たことについては、急に撤退!ということは少なく、じっくり腰を据えて取り組むことができるというのも大企業の特徴かもしれません。

逆に中小企業の場合は、一度決まったことについても、すぐに方針変更や撤退等がなされることも多い気がします。ジェットコースターのように進む仕事もあり、「明日の朝までに気合でなんとかやりとげる!」みたいな体育会系の要素も残っているというのが個人的な印象です。

 

1-2.労働環境が整備されている

そもそも、社員が無理をしなくてもビジネスが回る仕組みが確立されている、あるいは無理をさせないヒトの配置を考えているため、残業や休日出勤はそこまで多くないでしょう。もちろん、プロジェクトの佳境や、最初の立ち上がり時期等は、時間に関係なく目一杯働くことがあるでしょうが、代わりにどこかで休めたり(休まなければいけなかったり)しますので、走り続けることを強いられることは多くありません

更には、産休・育休等の制度が整備されている会社も多く、各人のライフステージや考え方に合わせた選択肢が多いのも魅力です。実際に、私が今いる大手企業においても、産休・育休をとっているヒトはかなり多いです(特に最近増えてきたような気がしています)。いうまでもなく、仕事だけの人生ではありませんので、自身の家族・健康等も加味した生き方が実現しやすいと思っています(中小企業の場合は、絶対的にヒトが不足していたり、ビジネスの立場が強くないことも多いので、「何が何でもいついつまでに!」と言って頑張る局面は結構ありました)。

 

1-3.豊富な社内事例やノウハウ

大企業はその歴史の中で、社員の数だけ、成功事例も失敗事例も豊富に眠っています。各領域の専門家も多く、かつその専門性も高いので、ノウハウやアイデアも各人の頭の中に多くあることでしょう。そのため、一人や少人数で悩んだりすることなく、そういった各人の叡智を活用することが可能です。

もちろん、私自身、そういった事例やノウハウの「共有」こそが難しいことは理解しています。ただ、自分から積極的に動くことで、社内にある叡智を引き出すことの大きな力も実感してきました。以前、業務上知りたいことについて、各方面の専門家複数人にメールを送ったところ、1日のうちにもれなく返信があり、リアルな情報を得ることができました。「大企業の底力」を実感した瞬間でした。

 

 

2.中小企業に転職するメリット3つ

2-1.幅広い経験ができる

規模の大きくない企業では、特に人というリソースが限られていますので、良くも悪くも「なんでも」する必要があります。そのため、自部門の仕事に限らず、幅広い業務に関与することができます。

例えば私の場合は、「営業・マーケティングで仕事獲得⇒自らサービス提供⇒責任を持って資金回収・売掛管理」という一連のビジネスに加えて、ヒトの採用・教育やマネジメント、そしておカネに関することまで…、どうすればビジネスが回るかを直接体験することができました。

一方、大企業で細分化された業務だけをずっとやっていると、最終顧客が見えなかったり、ルーチン業務に飽きてしまうことがあります。もっと言うと、ビジネスの全体像を見ずに、意味がないことをやらざるを得ない局面もありますので…、中小企業でビジネス全体に関わることができたのは何物にも代えがたい経験です。当時は企業としてのバックアップもあまりなく、失敗したり・長く働きながらの試行錯誤でしたが、ぐっと成長できた実感があります。

 

2-2.意思決定の現場に、近くで立ち会える

ビジネスにおける醍醐味の一つに、「意思決定の局面にどれだけ立ち会えるか」があります。意思決定には様々なものがありますが、「会社としての戦略はこう」「この事業や新商品に投資する」といったような意思決定もあれば、「生産ラインのここを改善する」「備品を購入する」といったものもあります。個人的な感覚ですが、意思決定が経営マターに近付けば近付くほど、そのやりがいは大きくなります

この意思決定に立ち会える機会が多いのが中小企業と考えています。経営者との距離が近いので、経営者がどんな考えや背景で、判断していくかを肌で感じることができやすい環境です。逆に大企業の場合は、トップが決めたことは、役員→本部長→部長→課長→…と伝言ゲームのように順々に伝えられます。途中で都合のいいように解釈されたり・認識違いが生じますので、リアルな意思決定に触れることはできません(経営マターの意思決定に立ち会えるようになるには、ピラミッドの上の方にいく必要があり、時間と実力と運次第)。

しかも、中小企業では、やる気とアイデア次第では、他人の意思決定ではなく、自分の意思決定を増やすことも可能です。大企業だと、何かをやろうとしても、まず上司にお伺いを立てて、更にその上に、更にその上に…とキリがない時がありますし、自分が決めることができる範囲は非常に小さいかもしれません。一方、小さい組織だと、「そのアイデアいいね!やってみよう」「じゃあ、言い出しっぺのあなたにやってもらうね」となりがちですので、自分の意見が届きやすい・それが採用された時に直接関わることができます。そしてうまくいくと、「じゃあ任せたから、宜しくね」と、自分の意思決定の範囲をどんどん広げることが可能となります。

 

2-3.社外の人脈を広げるチャンスが多い

自社だけで完結するビジネスはありません。原料や備品は他社から調達しますし、仕事を他社から紹介してもらうこともあるでしょう。他にも、餅は餅屋で、物流・システム・リース・銀行・施設や設備・人材紹介・会計や税務・法務等、本当に沢山の方々と一緒に仕事をすることになります

そんな時、2-1.にてお話したように、中小企業では幅広い業務に関与することになりますので、こういった外部の方々と接する機会も多くなります。更には、仕事をなんとしてでも進めるために、自分からこういった外部専門家を探してコンタクトをとっていく(ビジネスを立ち上げる)シーンも多くあります。この時に苦楽を共にしながら構築した人脈は、長いビジネス人生において、貴重な宝となってきます。

私自身も、中小企業にいた頃、本業とは直接関係のない不動産関係の話で知り合った方と意気投合し、何度か飲みに行く仲となりました。その後も、本業の顧客を紹介しあったり、会社を辞めた後も、自宅に遊びに行く関係が続いています。もちろん大企業でも外部の方と接する機会はありますが、取引先との付き合い方は厳しく管理されています。新規開拓しようにも、与信調査等を経て、会社として取引可否の判断を下す必要があることもあります。中小では、その辺りが良くも悪くも自由なことが多いので、自分の意思次第で大きく人脈を広げることができるのです

 

まとめ

それぞれのメリットを書いてきましたが、もちろん「各人が重視するポイント」は千差万別です。「大きいビジネスをやっているというプライドを満たしたい人」もいますし、「同じことをするのは飽きてしまうので、自由に動ける環境で色々経験したい人」もいます。それはライフステージによっても変わりますし、そもそも自分が何を重視しているかは意外とわからないものです。そのため、「自分には○○しかない!」と思い込みはせずに、その都度、自分の考えに合った環境を慎重に見極めていくことが重要です

 

更には、冒頭でも述べましたが、「大企業」とか「中小企業」という括りでは分けられず、会社ごとに環境は大きく異なります。各社の違いをどう見極めるかは、以下の記事を参考いただければと思います。

転職で後悔しないために!自分に合う会社を選ぶ方法

転職時にどういった企業を選ぶべきか?(経験編)

転職時にどういった企業を選ぶべきか?(経営理念編)

転職時にどういった企業を選ぶべきか?(社員編)

転職時の会社の選び方「財務面から会社概要を知る」

 

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