転職クエスト

採用面接において、面接官は目の前の相手を、様々な観点から見ています。限られた時間の中で、より多くの情報を引き出し、採用可否を判断する必要があります。職歴・スキル・志望動機・仕事への姿勢…等、見ている視点は多岐に渡りますが、その中でも「一緒に働きたいか」という視点は非常に重要です。 

 

「一緒に働きたいか」という視点について、採用現場における実態を聞くために、とある企業で多くの面接をこなすAさんに話を聞きました。この会社では、他の多くの会社と同様に、現場メンバーが中途面接を担当しています。

 

私「本日は宜しくお願いします。Aさんが中途面接で、最も重視している視点についての話を聞かせてもらいたいと考えています」

Aさん「中途面接では、即戦力がかなり求められるため、私のような現場メンバーが面接することが多いんですが、やはり最後の決め手は「一緒に働きたいか」ですね。もちろん前職での仕事内容やスキルも大事ですが、正直な所、ヒトとヒトなので、面接時の好印象がプラスになるのは間違いないです。あとは、採用後の話をすると、採用したヒトがあまり活躍しなかった場合には大きな採用責任を問われます。どうしてあいつを採用したんだと。そんな時、最後の最後まで面倒をみようと思えるか…このギリギリの判断ができそうかどうかは大きいんですよ。もちろん管理者としては皆を等しく助けようとしますが、お互いに感情ある生き物。残念ながら、一緒に働きたくないと思われてしまったヒトは、自分の居場所のなさを感じて自ら辞めていく人が多い気がします」

私「なるほど…。「一緒に働きたいか」を見極めるために、面接時に特に気にしているポイントはありますか？」

Aさん「あくまで個人的な考えですよ。相手が、場全体の空気や雰囲気を上手くつかめているか、相手との距離感を正確に把握できているかを見ますね。嘘をついてまでこちらに合わせる必要はもちろんないんですが、あまりに鈍感だったり、距離感があり過ぎると、一緒に働けるか不安になってしまいます」

私「具体的にはどういった時にそう感じますか？」

Aさん「そうですねえ、例えば…、面接時に“フランクでイイよ”と何度も言っているのに、丁寧過ぎる姿勢を貫く場合とかですかね。○○様は、○○様は…とずっとやられると、上手く噛み合わないなあ…と思ってしまいます。別の例では、こちらが相手の強みを見極めようとしているのに、謙虚さがいいと思っているのか、“いえいえ私はそこまでは…。ただこれから何でも頑張ります！”という一点張りだと、うーんとなります」

私「相手が求めていることを察した上で、コミュニケーションをとれるか…みたいなところですかね」

Aさん「そうそう。コミュニケーションをとりにくいのはクリティカルです。フランクに接する必要も、自分のキャラを隠す必要はないんですが、“おっ、分かってるね”とか“分かり合えるところがありそう”と相手に感じさせるコミュニケーションはとった方がいい気がしますね。でも、中にはいるんですよね…、こちらには関係なく、自分の言いたいことだけ言って帰っていく人とか。そういうヒトがなるべく少なくなることを個人的には願ってます。…と、すみませんね、最後、愚痴みたいになって」

私「いえいえ、求職者が「この企業で、あるいはこのヒトと働きたいか」を真剣に見ようとしているのと同じだけ、面接する側も真剣ですもんね。本日は貴重なお考え、ありがとうございました」

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「面接における採用基準「絶対に守るべき1つのこと」」