転職クエスト

仕事において、目標を設定する機会は多くあります。お正月に一年の計を立てたり、年度毎に業務上の目標を設定したり、更には転職時や思い立った時と…様々なタイミングで目標を立てるシーンに直面します。

このとき、どういう考え方で目標を設定するかによって、「目標を達成できるか」「三日坊主にならずにちゃんと続くか」が大きく変わるでしょう。今回は、そんな目標設定時の考え方についてのお話です。

 

1.目標を具体化し過ぎない

立てる目標は、「昇進する！」とか「希望の部署や会社に行く！」のように具体化し過ぎない方がいいと思っています。「やりたいことを成し遂げる」「なりたい自分に近付く」ためには、上記のような表面的なコトの「根っこにあるコト」を目標に掲げましょう。

例えば、「裁量を今より大きくして、より多くの顧客に喜んでもらう」とか「自分の力がもっと発揮できる環境に移って価値を出す」といったように、どうして昇進したいのか？・どうして異動や転職したいのか？の答えに当たるコトを目標とするのがポイントです。

 

その理由は何故か？　それは目標達成は一人の力では無理で、周りの存在や協力が絶対に必要となるためです。いざという時に、周りから助けてもらえるか・ついてきてもらえるかが重要となります。

ここで異なるタイプの二人をイメージしてください。一人は自分が昇進したり・転職できるかをずっと気にしている人で、もう一人は顧客への貢献や価値創出を目標としている人です。目標への想いが強ければ強いほど、自分の想いは言動の節々に出てしまうので、応援したくなるのは後者の人ではないでしょうか。前者の人には、救いの手は差し伸べられないかもしれません。

 

プロ野球選手のイチローさんが最近、「人というのは、人との関係に苦しんで、人に助けられ・救われる生き物だ」と仰っていました。まさにそうだと思います。かつて私自身も、ある人に潰された直後、別の人に救われて結果的に次のステージに行けたことがあり、この言葉の重みを改めて噛みしめています。

 

2.目標達成のために「三倍頑張る計画」を作る

目標設定時には、あわせて具体的な行動計画も作ることが多いでしょう。つまり、いつまでに○○をするとか、毎日××を続けるとか、時間軸を含めてやることを決めます。

ここでこれから実行していくシーンを想像すると…、実際には計画通りに進むことはほとんどありません（笑）。気分が乗らないときもあれば、風邪を引くときもあります。あるいは急に食事に誘われることもあれば、突然の残業で時間がとられることも。こういった計画を狂わせる要素は無限にあるため、目標達成のためには、必要な努力の「三倍頑張る計画」を作ることがおすすめです。

 

三倍頑張る計画で進めておけば、上記のような影響で頑張れない日があっても、目標達成には着実に近付くことができます。逆の言い方をすると、計画は予定通りにいかないので、「これをやれば目標達成できる！」という行動計画は、スタート前から実現不可能な計画ということになります…。

 

3.敢えて一喜一憂。そのためのイベントや仕組みを作っておく

目標達成のためには、目標に向けての努力を淡々と続けるのが一番ですが、その「淡々と」がなかなか難しい…。そのため、目標を設定する段階で、事前にイベントを用意しておくとか、進捗を見える化できる仕組みを準備しておくのがいいと考えています。例えば資格取得を目指す場合、模擬試験のタイミングを戦略的にセットするとか、一緒に勉強する仲間と競い合う環境を作っておくといった具合に。

 

こうすることで、目標達成に向けての努力が進んでいる、あるいは遅れているが明確となります。ここでのポイントは、「順調！」や「遅れている！」を見えるようにして一喜一憂することです。

「一喜一憂」というと一見良くないことのようですが、「淡々と努力すること」だけでは、なんとなくやる気がしなくなる・いつの間にかやらなくなる…といったことになりがちです。それよりは敢えて一喜一憂して、波に乗ったときは一気に努力する・逆の場合も負けず嫌いの精神で踏ん張ることで、目標達成に向けたエネルギーは大きくなるでしょう。

 

4.さいごに

以上、目標設定時の考え方について、私自身の視点をまとめました。それぞれの方法に合う・合わないはあると思いますが、年末年始や転職時に目標を立てるときの参考になれば幸いです。